シーバス 釣行記

0512-13 だから釣りはやめられない 遂に…房総ヒラスズキとの邂逅(長文気味)

シーバス

2016 5月12日(金)仕事は休むと決めていた

そう。決めていた。この日は。

この日、牧野は房総へ行く、憧れの魚であるヒラスズキを狙いに

荒磯の王者「ヒラスズキ」

牧野がいつか、ショアから釣ってみたい魚は三種類

純日本産怪魚 アカメ

幻の魚   イトウ

荒磯の王者 ヒラスズキ

水族館で見たこの三種の魚は、幼い牧野少年の心を一瞬で奪っていた。

そして大人になり、釣りが出来るお金と、旅に出かけられる車を得た

まずはヒラスズキを狙おう。

ヒラスズキは千葉でも釣れるし、ある種、マルスズキの延長線上にあると考えていた

そして数年前、始めて磯に立つ。

が、そこで痛感したことがあった。牧野は釣り人として

圧倒的に経験不足

仲間の中では釣りはうまい方だと思っていた。マルスズキであれば、ある程度釣ることはできた。

ただ、磯に立った瞬間、牧野が今まで釣りをしていたフィールドの経験はあまりに役立たなかった。

足場のしっかりした港湾やボートの釣りでの経験は、ヒラスズキが釣れるような風やサラシの出る状況ではあまりに役立たなかった。

向かい風に阻まれて飛ばせないルアー、慣れない足場の高い場所からのキャスト磯際にルアーをぶつけて壊す、そして打ち付ける波に揉まれて意味を成さないアクション

そしてなによりも、磯は恐ろしいところだった。

何か引力のようなものが働いて、海に吸い込まれそうな雰囲気だった。

当時の牧野に磯は早すぎた

牧野の釣りのルーツはバスフィッシングで父が師匠であったが

ソルトルアーは一人で始めたので、師匠はいなかった。

ネットの情報と雑誌や成書で手に入る情報を読み込んで、自身のものにしていくスタイルだった。

磯は怖いところと聞いていた。本当に怖いところだった。

そして牧野は決断する、少しずつハードルを上げていこう。

まずはド干潮時の磯歩き、サーフシーバス

次に、凪の磯エギング、磯マルスズキと…

少しずつ、少しずつ、ヒラスズキとの距離を詰めていければと

もはやある意味「恋」だった。

今年はやってやろうと思っていた。

そう、ヒラスズキを釣ることを、今年の目標としていた

とはいえ、1月~3月は茨城から房総へ泊りがけで行けるほどの余裕がなく

ついに春シーズン終盤くらいになってしまった。

確かに11月でもヒラスズキは釣れる。でも焦っていた。

恋い焦がれた相手が、遠くに行く感覚があって、ヒラスズキを掛けてバラす夢まで見た。

もうこれは行くしかないと思った。

ヒラスズキへの気持ちは止まらない

こうなってしまったら、もう仕事も手に付かない。

次の土日で潮が大きく動く日、その前日を休んで房総で泊りがけの釣りをするしかなかった。

嫁さんや仲間には呆れられもするが、

むしろ心乱された状態で一体何が出来るというのだろう。

5/12 ノーバイト

予想ではそれりに風が吹き、サラシも少しでるであろうと予想していたが

実際にフィールドに着くと無風、サラシも極薄い

朝マズメを過ぎた時点でノーバイトの時点で少し考え…

決めた、今日は捨てよう。

5/12 無風でもある程度サラシ出そうなポイントを見て回る

既に狙いは5/13の朝マズメだ。

5/12日にできるだけポイントを回り、サラシの具合を見る。

5/13は昼過ぎに大雨が降るため、その前後で海の状況が変わることも考えられる。

そこでなるべくサラシの濃い場所に行こう。

そして5/12は、朝マズメに向けて、早めの車中泊とした。

ドキドキと不安で、うまく眠れなかった

5/13 朝マズメ 謎の大物とのファイト

土曜日ということもあり、他アングラーの存在も気にはなったが

ヒラスズキを狙うにはやはり風が弱くサラシが薄いためか

狙ったポイントで一人で朝マズメを迎えることができた。

完全にチャンスだ。

ヒラスズキはサラシの薄い状況ではスレが早いとの前評判

朝マズメに入る、ギリギリのタイミングまでキャストせずに待ち

一投目 ルアーはエイムスのアローヘッドAIMS “ARROW HEAD”

着水

シュルシュルシュル。。。

ガッ!ガガガッ!

ヒ、ヒットだ!フッキングは・・・・決まってる。

だけど・・・、ほとんどフルロックの4000番リールのドラグが出される。

グングングングンと潜ってく感覚

磯を走り、根本がぶち曲がったMクラスのロッドを必死にポンピングし、抵抗を試みる

『こんなの取れるのかよ』

『始めてのヒラスズキが、もしかしてランカー?』

抵抗をしていた魚も、なんとか水際まで寄ってくる

魚体が見える

これは、ヒラスズキじゃない

なにか、青物のようなフォルムだ。デカイ。前日友人がヒラマサ回遊の話を伝えてくれた。

これは、ヒラマサか!?

磯際の攻防戦、ヒラスズキでは無いが脳内のアドレナリンは大放出

しかし、ここでも牧野の経験不足が出てしまう。

最後の抵抗を試みた謎の魚は、一気に根際に走っていく。

ロッドがグワっと真下に持っていかれる。

フワッ・・・瞬間、ロッドが空を裂く。

根ズレで1.5号のPEライン切れたのだ。

しばしの放心、手は震えている。

やはりまだ、早かったのだ。

俺には・・・

5/13 朝マズメ その後の沈黙

震える手でリーダーを付け直し、再度キャストを開始する。

だが、先程まであれだけやりあっていた場所

当然、ヒラスズキも、青物もかかるわけもなく…

残酷にも太陽は昇る。

5/13 ワラにもスガる ド干潮の磯歩きポイントへ

もはや、白旗だった。

経験不足を教えてくれる。次に繋がる、良い釣りだった。

そう思いながらも、心の奥底では諦めきれず、前日探したポイントで

ド干潮で風が弱くとも薄いなりにサラシが出るような場所に向かう。

前日にエールを送ってくれた友人には

「今日もダメだったよ」と気の抜けた連絡をして

フィールドへ歩いていった。

5/13 先行者無し、サラシは・・・

厚くはないが、それなりにサラシは…ある。

浅めなポイントを考慮し、浮き上がりの良いレビンヘビーを選択

LONGIN PRODUCTS LEVIN HEAVY

キャストをし、ロッドを立て気味にして

シュルシュルシュル・・・ッコーン

気の抜けた精神に突然の当たりだったが、反射的に体がフッキングを行う。

サラシから飛び出る

波間から見える銀鱗

ああ、ついに

ついに・・・・!

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5/13 諦めない心が奇跡を生む

「スズキ」というには小さいかもしれない

本格的なヒラスズキゲームとは違うかもしれない

経験や予測のような釣り場の論理の積み重ねで取れた魚でもない

それでもこのヒラスズキは牧野の一生の思い出となるヒラスズキになった。

キャッチした後、感動しすぎて少し涙が出た。

こんなことで泣くなんて俺はおかしいなと思いながらも、心はとても満たされていた。

長文失礼しました。

それでは皆様、良い釣りを…。

※余話

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おおよそ50cmほど

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胃の中にカタクチイワシらしき魚

本当に美味しくいただきました。

これで2017年の目標を一つクリアしました。

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