ルアー開発・自作

【2年使用】3Dプリンター XYZprinting ダヴィンチ miniMaker レビュー

ルアー開発・自作

ルアーと自作道具を作るために買った低価格3Dプリンター

XYZprinting ダヴィンチ miniMaker

2年、しかも二台も使いましたので簡単にレビューしていきます。

XYZprinting ダヴィンチ mini Makerの外見とスペック

Makerはおもちゃのようなカラーリング
兄弟機種のminiは落ち着いたカラーも有り

許容印刷サイズ(幅x奥行x高さ):150 x 150 x 150 mm

→印刷物の構造によるが、実際は底辺幅100x100あたりで反りがきつく、高さ100あたりから印刷時のガタ・ズレが起きやすいので、モデルや印刷時の工夫が必要


積層ピッチ:0.1 ~ 0.4 mm

→正直0.1だせるのは優秀で、時間はかかるがそれなりにキレイに印刷される。


対応樹脂:PLA / 抗菌性PLA / PETG / タフPLA

→ヒートベッドないとこんなものでしょうか、実質PLAのみ。


ヒートベッド:無し
接続:USB 2.0ケーブル のみ

→後述するこの機種の痛い点…

XYZprinting ダヴィンチ miniMakerで作ったモノたち

載せきれないほど作ってますので、一部を紹介致します。

エリアトラウト用シャロークランク
シーバスルアー三兄弟

見た目の完成度を求めない、自分用のルアーを作るだけなら問題なし。

普通に釣れます。

ただし、PLAはガラス転移点(この温度以上だと固い状態から柔らかい状態に変わる点)が60℃付近であるため、真夏のシイラルアー船で直射日光を浴びていた時はさすがにブニブニするほど柔らかくなってしまった。この時は3Dプリンター仲間と多いに笑ったw

ダヴィンチ miniMakerのココが良い!

①なんと言っても安い

記憶だと、購入当時は3万ほど。今でこそ色々な選択肢があるが、当時、組み立て済みでこの安さはminiMakerの一番の魅力だったと言える。今は終売してしまって、兄弟機のmini w のみがminiシリーズで売られている。(4万円くらい?)

②とっても簡単に使える

そもそも組み立て済みなので、そのあたりの苦労は全くない。しかもXYZ社が出している専用のソフトはとても簡便で使いやすい。印刷品質を「精細」にして打てば、構造的に無理のないものはほとんど印刷可能。ただ、より条件を詰めていきたい、という時にはかゆいところに手が届きにくい部分がある。(マニュアル操作がやりにくい)

③日本に問い合わせ先がある

XYZ社は東京にオフィスを持っており、ショールームもある。公式に日本語で対応いただける低価格の3Dプリンターは界隈では稀だと思う。

ダヴィンチ miniMakerのココが辛い!

①印刷モデルの読み込みにPCとの物理接続(USB)が必要

後継機種のmini w+は無線でモデルが読み込めるが、この機種は飛ばせない。ここが地味に辛い。いちいちPCを持って接続して…モデル読み込んで…これが結構めんどくさかったりするんです!ちなみに印刷状態に入れば接続は切ってもOK。せめてSDカードで読み込めるようにしてほしかった。

②専用フィラメントが必要

本体がフィラメントカートリッジに内蔵されたICを読み、XYZ社が販売しているフィラメント以外を受け付けない。カミソリ方式の商売。XYZのフィラメントが抜群に高いというわけでもないので、実はそんなに痛い部分ではないが、他の会社のフィラメントもガッツリ使いたい人には向かない。

③初心者が使える樹脂は事実上、PLAのみ!

ヒートベッドがないので、熱収縮率が低く寸法安定性の高い樹脂しか扱えない。一応PETGも扱えるが、設定をうまく詰められないので糸引き現象でだいたい挫折、もうPLAでいいや…となる(笑)おそらく、粘ればPETGも使えるはず(この機種でそこまでしてPETGを使う意義が見いだせれば)

④造形のキレイさ悪くないけど…

意外とキレイなんだけど、慣れてくると積層ピッチを積み重ねるときのガタとかが気になってくる。ノズルがx軸に、ベッドがy軸に、z軸を下画像のリードスクリューで動かすわけだけど、あまりフレームがカッチリした作りではないため剛性不足、リードスクリューに関して言えば軸径が小さく上部はフリーなので高さのある印刷物はモデルの状態で工夫してあげないと絶望の糸くずを作成するマシンと化す。フレームがしっかりしていて、リードスクリューの性能や保持方法が優れた箱型タイプの方が精度は出る。

ベッド部分にはお決まりの3Mの例のヤツ

あ、あと長らく使うとフィラメントカバーが削れて下画像のようにささくれます。

人によっては気になるかも。(自分はテフロンテープで巻いたりして適当に対応)

ダヴィンチ miniMakerをおすすめできる人

とにかく3Dプリンターに触れてみたい人が最初に買うプリンターとしては最適解

の候補となる一つだろう。

ちなみに私は理由があって2台使ってたが、元気に2年間動いてくれていた。

慣れてくるまではコレを使って、慣れてきたら別機種を買うという流れは良いと思う。(まさしく私がそうだけど)

3Dプリンターがある生活は何かと便利(自分用の治具作り、ルアー、破損品の修理、パーツの自製化)なので、少しCADをいじれる人は持ってて得するアイテムだと思います。

ダヴィンチ miniMakerを買っちゃダメな人

PLAでは荷が重い機能を求める人

例えば、炎天下で使用する(車載関係とか、車積みっぱなしとか)

    延性的な強度を求める人(PLAは固いが脆いため)

このサイトにたどり着いた人に向けた言い方で、具体的には

・夏場も釣具は積みっぱなしだし日光は当たるぜって人

・真夏のオフショアルアーで使いたい人

・真夏に渡しで磯に立つような人

はABSが印刷できるのを買ったほうがいい(笑)

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